カテゴリー別アーカイブ: LOOK695 aero light

2015/09/25 LOOK695 エアロライト 下りの恐怖といかに向き合うか。 その3

少し間があいてしまったけれど695エアロライト、初乗り所感の
続きです。

とにかく、下りの恐怖をいかに克服するか。
僕の家、といっても職場でも有るペンションはスキー場に
向かう道の登りの一方の終着にある。

だから、必然的にどこかに行こうとするとまずは
長い下り坂を降りていかなければならないのだ

ちょっとバイクを調整して具合を見るために外に
乗り出そうにも、まずは坂を下って、そしてその道を
登り返さなければならないので、これはこれで中々厄介でもある。

山道特有の長く湾曲した坂を、それなりの回数下ってきた。
それなのに、下りが速くなるとか怖さが薄れるとかそういった
変化は中々僕の身には現れない。

もう、先天的に
そういった命を極限の状態に投げ出して、ひりひりするような
感覚の中でスリルと生を実感する、とか意思で恐怖を
克服するとかそういった類のことは向いてないんだと思う。

そんな中、この695はどうだったのか。

先代の595はこよなく愛しているバイクの一つである。
細身ながら強靭に作られたフレーム素体が、どんなシチュエーション
でも圧倒的な安心感と一体感を与えてくれる。586は、もう少し
ヒラヒラぱりぱりしてるけど、やっぱり下りの安定感はすばらしい。

なにより、どこかアナログな感じのいい意味での曖昧さと包容力。
この辺りのLOOKは乗っていて暖かいのだ。

そして695。それまでのLOOKにある手作り感のようなものは
薄れて、近未来から来た青い猫の形のロボットがいじめっ子から
逃れるための最速マシンとして用意してくれたような、今までの
LOOKとはちょっと違う趣。

手に取ると感じるのは、軽トラのような強靭さと耐久性ではなくて
F1マシンのような緻密、精密、繊細さ。独特の機構の数々も
それを感じさせる一端なんだろう。


前回、手にこれまで感じたことのない振動を感じた、と書いた。
その原因はまだはっきりしていないのだけれど、これが何か
回転を妨げる要因がある、とか粗雑なバイクのように細かい
振動を吸収し切れていない、というのとはちょっと違う。

慣れてくると不快ではない。だからマイナスファクターでは
ないのだ。

重心が、低い。タイヤが路面を今までになくつかんでいる感覚がある。
そしてクランクが回り、トルクに変換されるそのダイレクト感もまた
今までに感じたことがない。

この辺のダイレクト感と、手に伝わってくる振動は同じ趣の物なん
じゃなかろうか。

下り、この振動が僕の臆病な神経をささくれ立たせる。
最初のダウンヒルは、だからかなり薄氷を踏むような思いだった。

でも695のこのダイレクト感を理解してくるにつれて、路面の状況、
タイヤの状況、車体の状況を伝えてくる物なんだろうと思えてくる。

やっぱりLOOK.カタログスペックだけ突出した
理詰めのバイクではなくて、どこかに親和性と包容力の幅を
持たせてある。その方向性が595なんかとはちょっと違う
けれど、これはこれで奥深いバイクかもしれない。

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LOOK695 エアロライト いつか来るだろう、そのいつかは忘れた頃にやってくる。

たとえば汗だくになりながら山を登りきって
乱雑に汗まみれのジャージを脱衣所のかごに脱ぎ捨てて

シャワーを浴びて、
上半身裸のまま出来てきて、
腰に手を当てる
少し背をそらしながらぐびぐびと牛乳を乾いたのどに流し込む。

次の瞬間、脱ぎ捨てたジャージの事なんて冥王星のもっと先の
方にまで飛び去ってしまって、頭の中にはどこにも見当たらない。

それでも次の日にはその汗だくだったはずの上着は
洗濯されて綺麗に畳まれて、何気なく普段の衣類と一緒に
積まれている。

親と同居していると、気がつけば食器の片付けや洗濯は
母親がやってくれるもの、と当たり前のようになってしまって
いるんだけれど。

最近思う。これはなんて奇跡的な出来事なんだろう、と。
そしてそういう類の奇跡は実は日常にあふれていて
奇跡を踏みにじりながら、おろかにも幸運や僥倖を求めているのだ。

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695の挙動の特徴をなんとなくつかみ始めて、
下りの恐怖も薄れていく。手に感じていた振動は
路面により強くくらいついてグリップを、路面の情報を
今までにないくらいの濃密さで与えてくれる。だから
下りもマシンの挙動を思う様に操れる。

自転車、というファクターを通しているはずなのに、
まるで自分がアスファルトの上を低空で飛行しているような
感覚を覚えてくる。

前々から感じていたのだけれど、LOOKのフレームは
自転車に乗っていることを忘れさせるくらいに親和性が高い。
言い換えると、自転車そのものを意識の中から消し去ろうと
しているんじゃないか、そんなことを考える。

いまいち信用できなかったフレーム内臓のエアロブレーキも
慣れてくると効いて当たり前になってくる。
人間のなれ、というのはやはり怖いもので、アクシデントは
大体こういうときにやってくるのだ。

VOL3に続く

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