IMG_4436

パーツいんぷれっしょん 番外編2 ~ワシン水性ウレタンニス(屋内木部用透明クリアー)~

自転車名 水性ウレタンニス 屋内木部用(透明クリヤー)
ブランド ワシン
価格 オープン価格
フレーム 130ml

ワシン(和信)ペイントは埼玉県幸手市に本社を置く塗料メーカーである。数年前、カーボン補修の時にカーボンの目、ピンホールを埋める為に様々な薬剤を試してみたが、どうにもしっくり来る物がない。

繰り返されるトライ&エラー、積み重なる使い切れずにお蔵入りする薬剤たち。そうした幾多の挫折と累々たる薬物の屍の果てに、勝利の剣を手に入れるのだった。その名は「ワシン水性ウレタンニス」

IMG_4440

 

カーボン補填剤として求める性能は以下のとおり

・塗膜に柔軟性がある

・透明

・芳香(パフューム)

・筆でぬれる

・水性であればなおよろし

・童貞でも使える

一般的なプラスチック系のパテでは、カーボンのしなりに追従できず割れてしまう。また、透明ではないのでカーボン地を活かすことができない。却下。

一般的なCFRP系のサイトを覗くと、大抵は透明タイプのポリエステルパテを使用している。

が、ロットが大きすぎたり、硬化性に信頼が置けなかったりとイマイチピンと来る物がない。却下。

他にもゲルコートという選択肢もあるのだけれど、パラフィン添加と調合率、温度など条件が厳しく失敗すると半粘性のゲルがフレームにを覆ってしまい取り返しのつかないことになる。これも却下した。

いろいろ絞り込んでいくと、最終的にウレタンクリアにたどり着くのだけれど、ここでまた問題が起きてくる。

ウレタンクリアは油性1液性、もしくは水性二液性の二つに分かれるのだけれど、油性1液性は専用の溶剤でないと筆をあらったり薄めたりできないので取り扱いが面倒くさい。うむ。却下。

水性二液性は一度混合すると使い切らなくてはならず、高価である。床を塗るのと補填剤では訳が違うのだ。これまた却下。

他にもサンディングシーラーを使用してみた。これは塗膜が厚くなりすぎると内部でわれてしまう。これも撤去に大変な時間を労した。却下。

そんなこんなでフレーム一本分くらいの剤をこれらの薬剤につぎ込み、いけるかと思った矢先に現実を思い知らされる。カーボンを美しく仕上げるのは、僕の様な豚にも劣る人間には不可能なのだろうか、と心が折れかけた僕の前に天使が舞い降りるのだった。

IMG_4436

答えはいつも足元にある。

マニアックな薬剤にこだわり過ぎて、すっかり足が遠のいてしまった近所のコ○リにそれはあった。

初めてこれを目にした時は思わず目をこすり、何回も瞬きをし、何度も「落ち着け、これはきっと幻だ。そんな都合のいい物がこの世にあるはずは無い。」と自分に言い聞かせながら、恐る恐る棚に手を伸ばしてみる。

そこには間違いなくこう書かれてあった

「1液性ウレタンニス(水性クリアー)」

1液性で、ウレタンで、水性で透明 しかも安価

僕の求めるすべての要素がこの飾り気の無いプラスチックの容器に詰められている。完璧である。

この時の僕の気持ちをどう表現したらいいだろうか。

夏の蒸し暑い午後、通いなれた田舎道を歩く途中急に振り出したにわか雨、幸いにもかばんに忍ばせていた小さな折り畳み傘を頭上に掲げながら、ややうんざりした面持ちでため息をつく。

そんな矢先、交差点で信号を待ちながら突然の雨になすすべも無く打たれ戸惑う少女の姿を目に留める。彼女は僕がクラスでちょっとだけ気になる存在だったのだ。

in_011

この時ばかりはおせっかいな母親のおせっかいによって持たされた小さな折り畳み傘が、僕には戦場に向かう兵士が秘密裏に与えられた戦況を覆す最新兵器のように思えるのだった。

と、そんな位に衝撃を受けた。神は、自らしようとするものを助ける。これまで無駄にしてきた時間と財と薬剤たちは決して無駄ではなかったのだ。

さらにこの製品のすごいところは、溶液を攪拌しやすいように、中にビー玉を入れてある。このかゆいところに手が届く細やかな気配り。さすがワシン。ジャパンクールの代名詞である。

性能は折り紙つきである。もし、海外に赴任する時に僅かな手荷物しか持つことが許されないとしたら僕は間違いなくこのニスをリストに加えるだろう。それは、常に日本の美徳とされる技術力とユーザーの立場に立った細やかな心配りを感じていたいから、そして 自分も日本人であることを誇りに思い続けるためである。

IMG_4433

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA