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インプレッション COLNAGO c60 太極を身に纏い

 

COLNAGO c60 レーシングバイクとしてはあまりに美しいグラフィックを身にまとったCの系譜の現状到達点。マグナム・オーパス。

ロードバイクを知り尽くした匠たちは最高の性能だけではない何かを、今はもう珍しくなってしまったラグドフレームに込めて来た。過去と未来、進歩的と懐古的。相反する理念を一つのフレームに。それによって更なる高みへと。

キーワードは「太極」

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太極: 中国の易経の中で万物の根源、陰と陽の生じる場所。極と極を併せ持つ所。そんな概念で捉えられている

COLNAGO c60

うちのペンションで所有、保管、貸し出ししている数あるハイエンドバイクの中でも格別のオーラを放つ存在である。

もし今木島平に大地震がおきて避難しなければならなくなってしまったら、c60か595のどちらを持って逃げようか逡巡している間に地震に飲み込まれてしまうかもしれない。

近年ロードバイク発展の歴史と共に歩んできたコルナゴ。もしかしたら最後にエルネストが手がけたCになるかもしれないこのバイクをしげしげと眺めてみる。

前作c59をはるかに凌ぐボリュームのメインチューブは四隅を潰されてコルナゴ伝統のジルコチューブを形づくる。これは剛性を高めるのもちろんのことなのだけれど、コルナゴのバイクなんだ、という製作者側の矜持がこめられている。

それだけではなくてこの凹凸が複雑なグラデーションを施されたペイントに陰影を与え、見る角度によって様々に表情を変えてくれる。

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コルナゴの、ロードバイクの歩みの歴史を詰め込んでたどり着いたような外観に思わず引き込まれてしまう。そして一つの単語が浮かび上がってくるのだ

「太極」

光と影、剛と柔、過去と未来

相反する概念を相克とし別れ争わせるのでは無く、その身に取り込み共存させる。止揚(アウフヘーベン)させる事で更なる高みの概念に昇華させていく。

こういう弁証法的な要素がこのフレームの細部に込められている。

それはエルネスト・コルナゴを筆頭にロードバイクの歴史をその身に刻み込んだ生き証人たちの、最後につくるフレームに込めた願いと呪い。

すべてのロードバイクの根源たれ

狙って数々の機構を組み込んだのか、それとも時代の流れがそうさせたのか。いずれにしてもただ高性能で美しく、目の玉が飛び出る程に高価なバイクというだけでは括れない、神秘的な何かがやっぱり内包されていると感じてしまう。

VOL2へ

 

 

 

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