ロードバイク インプレ colnago c60 太極を身に纏い 3

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なかなか乗車にたどり着かないで話が変な方に流れるのはこのブログの常。

それでも話を進めさせて欲しい。

エンブレムの刻まれたヘッドチューブ。陶磁器の様に滑らかで分厚い塗装はとても自転車のそれとは思えない。そこからトップチューブを後方に向かい、流れるようなグラデーションでカーボン素地が現れてゆく。

トップチューブを握ってみると、意外な事に少したわむのだ。

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コルナゴのラグドフレーム。しかも旗艦を飾るモデルだ。てっきり分厚く、万力で締め上げてもびくともしないようなカーボンパイプがおさまっていると思っていた。

これは後述するc60の、ラグドモデルでありながらモノコックバイクを思わせる味わいも併せ持つ側面を担っている様に思う。

決して軽量化のためではない。そもそも軽くする意志が少しでもあるなら、このご時世にトップモデルの履くフロントフォークが400gを越してくるなんて事はあり得ない。

全ては走りの為。

とはいえ少し拍子抜けしたのも事実。

オークションで少しだけキズの入ったc60を落札してから、手に実際に触れるまでのおよそ二週間。

これほど気もそぞろだったのは多分、二十年も前の話だけれどスーパーファミコン初のドラクエとなるドラクエ5の発売二週間を切った時以来だと思う。とにかく楽しみで夜も上手く寝付けないのだ。

とにかく頑丈で、全く重量など気にせずに好きなだけ、必要なだけ上質なカーボン素材を振る舞った車体を想像していた。

それだけにトップチューブのしなやかさは想定外、晴天の霹靂であり思わずコピー品ですか?と疑いたくなってしまったことも。

勿論保証書もシリアルナンバーもそろっていたし、何より実物が醸し出すオーラは凡そコピー品では真似できない物だったのだが。

実際に組み上げて走り出してみる
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はじめに断っておくと、このC60、良いとか悪いとか単純な物ではない。勿論圧倒的なまでに良いのだが。

これは、過去と、未来を繋ぐバイク。

コルナゴの半世紀の全てを凝縮し、この先の時代を掴み取ろうとするバイク。

過去と未来、共存し得ない概念を一つのカーボンパイプの構造体に閉じこめ、術式をもって封じ込める。

生と死、光と陰、時間と空間。
全ての概念が別たれる前の形で交じり合い秩序をなす、始源と永劫への回帰の道が内包されているかの様。

これがエルネストがたどり着いた答えなのか。

あまねく賢者たちが求める生も死も超越した境地を、自転車で表現しようとしたのではないか。

勿論僕の考えすぎだ。

VOL4へ続く

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