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ロードバイク インプレッション cervero R3 SL  幼年期の終わり

カナダのトロントに本拠を構えるロード,トライアスロン用フレームメーカーcervelo (サーヴェロ)

その設立は1995年と短いながら、早くも業界のトップランナーの一角を担う存在となっている。

僕はサーヴェロのバイクを見ていると、気高い一匹の狼のような印象をうける。

一時期は全てのモデルがハイエンドモデルとうそぶき、ラインナップに入門モデルの存在しない、かなりガチの人でもちょっと躊躇するような強気の姿勢を崩さないフレームメーカーだったりした事もあった。

最近はミドルグレードへの展開も見え始め、徐々に経営方針も時代に合わせて変化しているような気もするけれど、ハイエンドモデル、R5の更に上をいくRcaというモデルはフレーム単体のみで販売価格100万を越すので、何処かぶっ飛んだところのある、漢気あふれる側面も相変わらずのようで安心する。

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さて、R3 SLである。

僕の大好きなR3SLである。 何を隠そう初めて割れてないフレームを買ったのがこのR3なのだ。そしてR3を合計で三台所有した事になる。

一代目はSLではないノーマルタイプのR3。こいつはジャンク品を補修して組み上げたところ、二ヶ月で盗難の憂き目に逢ってしまう。あの時は文字とおり天地が焼け崩れ、膝から崩れ落ちそうになった。

それから数年して熱病のようにR3SLを希求し、ついには国外オークションにまで手を出して入手したのがこのR3。あの時代は恐ろしいほどの円高の時代であって、その恩恵を持ってこの名車を手にすることが出来た。はるかイスラエルの海を渡って、この日本の僕の元にきてくれたのだ。

その数年後にオークションにてもう一台、派手にクラックの入ったR3を手にすることになる。こいつは補修を施して友人の下へ嫁いでいった。今も幸せにしているだろうか。

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僕の住む長野県北部地域の冬は早く、十一月の頭、早くも晩秋の香りが薄靄のように漂っている。また一つの季節が終わり、一つの年が終わろうとしている。私事になるのだけれど、この冬に結婚することになり、僕自身の一つの時代が終わろうとしているのだ。

あと数ヵ月後には新しい家族を迎えて全く予想もつかない人生のステージに上がることになる。

この地域で自転車に乗れる後僅かな日数の最後を、R3とすごす事に決めてふと、思い返したのが去年も最後に乗り込んだのはこのR3だったという事。

寂しげな秋空と晩秋の空気感。一つの季節の終わりと一つの自分の時代の終わりを重ねながら、かみ締めるようにペダルを踏み込む最中、ふと「幼年期の終わり」というフレーズが頭によぎってきた。

アーサーCクラークの代表作の一つ。十台の終わりから二十台の初めに掛けて何回も読み返した大好きな本の一つ。

このR3SLもロードバイクの一つの時代の終わりを生きたバイクなのだ

いや、もしかしたら終わらせたバイクなのかもしれないのだ。

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