IMG_4954

super six evo himod に乗る。一日目

いよいよevoに乗り込む初日。考えてみるとevoというありふれた単語が、このsuper six evo (hi mod)の固有名詞になってしまった感もある。これは中々すごい事なのかもしれない。

その位に革命的であった、多くのサイクリストを虜にした、そんな名車とこれから数日を共にするのだ。端整で爽やかなルックスと相まって、意識しなくても脳内麻薬が分泌されてくる。

が、初感は肩透かしだったのだ。さあ、どうしてくれよう

IMG_4950

事前に仕込んだ情報によると、軽量ゆえの登坂力はもちろんの事、特筆すべきは実はダウンヒルにあるという。

車体に強いストレスの掛かるダウンヒル。重量をあまり気にしないイタリアンブランドのようなバイクではなく、当代最軽量車が最高の性能をマークする。これはかなり異常な事態だと思う。

2010年前後の軽量フレーム事情としては、軽さは常に何かとペイオフ。剛性か、安定性か、乗り味か、耐久性か、それともブランドの持つ思想、世界観のような物か。

故に軽量車には常にどこかエキセントリックで刹那的なイメージがついて回る。また一部の人間はそんな際どくはかないバイク達をむしろ喜んで受け入れていたふしもある。

軽ければ危うくて当たりまえ。重量制限のあるパーツ、ちょっとオーバートルクすると簡単に皹の入るパーツ、見るからに危なそうなレベルで削りの入った金属部品はCNC加工の精密さが前衛的な芸術品の香りを放つ物もあった。ヒルクライム専用、ゴール時に速度を落とす時にしかブレーキをしてはいけないと注意書きがしてあるホイールなんてのもあったとか何とか。

どんなに軽量化しても6.8kgを下回ってはメジャーレースに出れない縛りもあって、一度は落ち着いた感のあった軽量化戦争。そして流れはエアロに振られていく中で突如、発表されたのがsuper six evo。重量はアンダー700g

IMG_4952

製造元はキャノンディール。カーボン全盛時代にかたくなに極太アルミフレームを作り続け、カーボンキラーとまで言われるようになったブランド。それまで軽量化戦争どこ吹く風で独自路線のキワモノバイクを作り続けてきた会社だけに、いまさら何の冗談だ。ちゃんと走るのか。衝撃だったのだ。

そして送り出された実物は、「普通に使える超軽量」

アンダー700の重量をたたき出しながら、何も犠牲にしていない。それまでの常識を覆してしまったのだ。

前置きが長くなってしまったのだけれど、evoの特筆すべきは、軽さではない。この重量は洗練されたシルクのような乗り味を生み出すため。フレームの製造過程での不純要素を取り除く作業を繰り返す中、どうしても軽く成ってしまった物なのだと想像して見る。

evoのパイプ各部は、重量からは想像できないくらいにしっかりとした厚みを感じる。肉薄大口径で剛性を稼いだ感じは微塵もない。

一日目、まずはその辺のしっかりとした乗り味と滑らかさに着眼して乗ってみる。

僕の家のあるスキー場の中腹から4kmほど一気に下り、市街地へ、平坦で信号のほとんどない道をぐるっと回り、6kmほど上り返す。大体30kmほどのいつものコース。

なるほど、下り性能は素晴らしい。細身のヘッドチューブは、近年主流の下ワン1.5インチのバイクが持つ路面をねじ伏せる様な力強さは感じられない物の、全体のバランスの良さが効いているのか車体を倒しこみやすい。

続く平地、背中を押されるような加速感でもなく、695の様に勝手に進むような感でもなく、まさしく踏んだ分だけ進む感触。そしてペダリングフィールの柔らかさ。

旧式SLRに近い感じがする?雲の上を行くような浮遊感のあるSLRに比較すると、此方は粘性の液体の中でクランクが回るような感覚がある。いずれにせよ、官能的な楽しさをもってペダルが回る。

総評すると、すべての面において、「普通」

一切の破綻も過剰な演出もなく高レベルですべてが纏まっている。595がこれ系のバイクの嚆矢と思っていたけれどそれ以上かもしれない。595のバネ感は際立っているといえば際立っている。

しかし、この普通さがとても厄介だったりもするのだ。ともすると没個性バイクのようにも感じてしまった。

これが万人を魅了した名車の底力か?乗りながら、ポジションの微調整ができていないのか、ホイールの相性が悪いのか、まだまだevoの本質を引き出せていない感覚がある。

そして、やっぱり上りにもっさり感を感じてしまう。明日はホイールを入れ替えてみる。r-sysはポンポンと弾む感覚が楽しいけれど、坂道で少し力が抜ける感覚があるような気がする。絶対的剛性を誇るわけではないevoとはいささか相性がよくないのかもしれない。

IMG_4954

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA