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カーボン補修の話 その7 含浸させたカーボンを貼り付けます

さて、前回までのでやっとただの炭素繊維を炭素繊維強化プラスチックにする簡単な手順を紹介させていただきました。

この技術を窮めて行くと身の回りの色んな物をカーボン化することが出来ます。軽量化、剛性の強化、それだけではなく美しく整然と並んだカーボンの折り目は見た目の満足度もアップさせてくれますね。

もし、バレンタインのチョコをカーボンでラッピングとかされていたら僕なんかはいちころでしょう。もっと言うなら、そのチョコを渡してくれた少女が少し恥ずかしそうにしながら可愛らしい笑顔を見せてくれるのです。

彼女の形のいい小ぶりの唇の隙間から少しだけ覗いた前歯は、カーボンでコーティングされていました。

きらめく夏の陽光はアスファルトも、街路樹も、セミの鳴き声のオーケストラにも、全ての事象の上に等しく無慈悲な光線を投げかけてきます。生物も無生物も皆どこか息切れしたような光景の中で、僕の足取りも何処か重くなってしまいました。

そんな中でも彼女とその漆黒の前歯、そして歯に挟まるピーナッツの食べかすだけがハッキリとした色彩を保っているのでした。

かわいいは、正義だ。

そのときそんな、他愛もない言葉が脳裏に浮かび、僕は彼女の為に一生をささげてもかまわない、と思ったのです。

ちなみに彼女は眼鏡を掛けています。

摩擦、衝撃、唾液、ぺヤングのかやく等に日々さらされるエナメル質をカーボンでコーティングすることによって耐久性を上げるのは、プロの世界では常套手段です。それも1kの細かい折り目が整然と並んでいるならそれはきっとご両親からも愛されて育った女の子なのでしょう。

また話がそれましたが、僕のうちでは包丁の柄やスマホのケースなんかを無駄にカーボンにして楽しんだりしてました。

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これはまだ施工途中ですが。3kカーボンを使っています。できばえは中々の物でした。右下になんだか余計な物が写っていますが、鼻炎はすでに克服しました。

エポキシは耐水性も強いので水仕事で傷みがちな包丁の柄をしっかりカバーしてくれています。まな板を包丁で叩くときの衝撃をカーボンの衝撃吸収性が緩和してくれる。なんてことはありませんが。

 

それではいよいよ破損箇所にカーボンを貼り付けていきましょう。

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現在補修中のtrek madone 6 二世代前のハイエンドモデルです。まだまだ人気の有るモデルなので普通にかったら中古でも二十万近くしてしまうでしょうが、クラックフレームなので4万円くらいでした。

右シート、チェーン各ステーに中々深いひびが入っています。当然手で押してみるとぐわんぐわんに撓むので此の侭では乗ることが出来ません。

いつ貼るの?いまでしょ!

と焦る心をぐっとこらえて、もう一つ段階を経なければなりません。補修箇所の塗装をはがさなければならないのです。カーボン地をむき出しにして、出来る限りクラックの入った箇所を撤去していきます。

クロスに樹脂を含侵させる前にこっちの作業をやるべきでした。

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はい、こんな感じになります。この程度の規模なら棒やすりで十分ですが、クラックの範囲が広い場合は電動サンダーがあると便利です。

注意点としてはカーボン地をやすりで荒らしておかないと、エポキシが表面に食いつかず、度重なる振動の内に剥がれてしまう恐れがあるのです。

僕はリアステーの場合は大体3~4層くらいカーボンを巻きつけています。

幅3センチ、長さ20センチくらい(結構大体ですが)にクロスを切り出して樹脂を染みこませていきます。で、ぐるぐるぐると巻いていってしまいます。大体3週くらいは出来たんじゃないでしょうか。それをビニールテープでがちがちに巻きつけて固めます。大体30分くらいでテープははがしても大丈夫ですが、完全に強度が出るのには一晩以上待たなければなりません。

カーボンの思わぬアクシデントの一つに間層剥離という問題があります。それについても書かなければならないので、今回はこの辺で。

 

間層剥離とカーボン製品のデリケートさについて

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