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カーボン補修の話 その9 表層処理

さて、予想以上に記事が多くなってしまいましたが、今回ので一応基本的な話は終わりにしたいと思います。ここまで目を通してくださった方々、お疲れ様でした。

前回の記事までの作業で貼り付けたカーボンシートをビニールテープで固定。少ししたらそのテープを剥がします。積層、強度が十分だと思われるなら、いよいよ最終工程に入っていきましょう

テープを剥がすとそこには硬く引き締まったカーボン層が見えてくると思います。がこの段階では艶も無ければ、テープで圧迫されているので凸凹の結構みっともない外観になっていると思います。

もちろん気にしなければそれまでなのですが、今回はこの見た目がどうしても気になる、という前提で話を進めます。

通常のCFRPでは、表面からゲルコート、カーボン層、ガラス繊維層という順番で型に貼っていき、硬化後に型から外す、という手順ですのですぐにある程度外観も整った物になるはず。しかしこういったビニールテープを用いた元も子もない基本をすっ飛ばしたやり方ですと、どうしても見た目の凸凹、カーボンのピンホールなどが目立ってしまいます。

また、エポキシ樹脂は性能自体は優秀ですが、紫外線による劣化が激しいという弱点があります。カーボンむき出しのままですと徐々に樹脂が黄ばんで強度、靭性がどんどん低下していってしまうのです。

黒いカーボン繊維ですと樹脂の黄ばみがわかりにくいのですが、半透明のガラス繊維だとこの変化は顕著に現れます。ですので、表層処理は必ず施してほしいところ。

 

まず、テープの圧迫によって凸凹になってしまったカーボン表面をやすりで均します。やすりがけする訳ですから当然カーボン層は薄くなります。

この時点で強度にちょっと不安を感じるようでしたらさらに数層積層するのも自由です。といっても後の工程でこの段差を埋めていきますので、あまり極端に飛び出ているところを均してあげる程度でいいかもれません。

ある程度表面が均一になったら、カーボン表層を見てみてください。よく見ると繊維の織り目の隙間に小さい穴がぽつぽつと開いていると思います。これは不良品でも施工失敗でもありませんのでご安心を。カーボンクロスとはそういう物であり、このピンホールをいかに克服するかが永遠のテーマでもあります。

ギルガメッシュ叙事詩にもマルデゥクが油脂を焦がして作った繊維を膠(にかわ)で固めるシーンでピンホールに悩まされるシーンがあるかもしれません。このピンホールを埋め、表層の段差をなくしていく為にケミカルを塗りつけていくのです。

 

僕は色々試した挙句たどり着いたのはワシンの水生一液ウレタン二スでした。こいつを塗っては乾かし、塗っては乾かし、気長に十数回繰り返します。たまに水研ぎして見たり。それを繰り返していくうちに穴と段差が埋まり、きれいなカーボンクリア層が出来上がるのです。

かなり手間と時間のかかる作業ですが、きれいなクリア層がカーボン織り目を輝かせてくれると、うっとりするほど美しく、それまでの苦労が報われると思います。そして最後に紫外線カット要素のあるニスで表面をコーティングしてあげてください。

表面をカーボン地を生かすのではなくて、着色する場合はウレタン二スでは無くてもいいですが、注意するのは伸展性のある塗剤を使わないとカーボンフレームの撓みに塗料が追従できず、割れてしまうことがあります。ポリエステルパテやプラサフなんかは以外にも簡単に割れてしまうので、注意してください

油性ウレタンやらサンディングシーラーやらゲルコートやら色々試し、数万円をつぎ込みましたが結果は水性一液性のニスにたどり着きました。がこの方法は手間と時間がかかるため、もしほかのお勧めケミカルがある場合はぜひ教えていただきたいです。

さて、これにて基本的な部分は大体押さえられたかと思いますが、後は実際にやって見るしかありません。

この後数台また修理する予定がありますので、其の都度UPしながら情報共有できたらと思います。

 

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