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試乗可能 決して軽くはないバイク紹介 ~scott addict SL~

自転車名 addict SL 理性を保てるギリギリライン
ブランド scott
価格 マッドマックスな軽量パーツ 20個分くらい
サイズ 48
フレーム addict SL

包丁やナイフ等、刃物に用いられる金属にも色々と種類がある。人くくりに鉄といっても、純粋な鉄というのはほとんど存在せず、鉄に微量名な元素を混ぜ込み合金としてそれぞれ適した用途に持ちいらる。

日本が誇る日立製鉄が開発した高級刃物金属ブランド「安来鋼」(ヤスキハガネ)この鋼を徹底的に叩きあげ、不純物を極限まで少なくした白紙という鋼がある。

addict SLを眺めながらふとこの白紙という金属を思い浮かべてしまった。

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我が家の最軽量バイク scott addict SL

最軽量コンポ、sram red にレイノルズのカーボンホイール、各種軽量パーツを使ってペダルレス5・5kgまで削ぎ落とした。

予算と見栄と実用性のせめぎ合いの果てにたたき出した数値だけれど、世の軽量化マニアや軽量魔人、軽量界の深奥に潜むという軽量廃人からしたらまだまだ鼻で笑われるレベルである。

おそらく彼らのバイクと比較すると、ヘリウムとビウンオクチウム(注・最も重いといわれている元素らしい)くらい差があるのではないか

余談だけれど、重い元素を調べてみたら、「ウンウンビウム」とか「ウンニルペンチウム」なんて元素が出てきた。ウン○から出るビームやウ○コを煮込みにしたような名前である。自然界とはまことに恐ろしい。

それでも僕のaddictも一応6.8kgを下回っているので、ビウンオクチウムとまでは行かないが、ウンウンビウムあたりをさ迷っているのだろうか。「オレッちの軽量バイクに比べたらそんなんウンウンビウム位だぜ」と鼻で笑われる訳である。これはちょっと悔しい。

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一般的に自転車を軽くするのに、100g一万という言葉がある。100g軽くするためにかかる費用の相場が大体1万円なのだ。これは、僕が経験的に算出した数値なのだけれど、最近知り合ったとあるローディの方も同じ事を言っていたので大体みんな思いあたる節があるのではないか。

しかし6.5kgくらいから下(上?)を目指そうとすると、この数字が徐々に比率を変え、数十グラムの軽量化に5~6万、なんて数字も出てくるようになる。

果たして、たった数十g削るために投資する数万にどれほどの対費用効果があるのだろうか。このaddictもこれ以上の軽さを求めるなら、いよいよ常人には理解できない領域に踏み込まなくてはならないのだけれど、まだそこまでの覚悟も軽さへの渇望も持ちえてはいない。

もし踏み込むなら車体より先に財布のほうがはるかに軽くなってしまうのだ。それだけじゃなく、安全性、汎用性そういった物も犠牲にしなくてはならなくなってきてしまう。

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addict に設えた唯一の軽量系パーツ、TRPのブレーキ。これはマトモな制動力とREDより軽い。まだマトモな選択であると思う。

もっと、軽量で高価で危険でエキセントリックな軽量パーツが存在する。それらは軽量という唯一の価値のために色んな要素を銀河系のはるかかなたまで投げ捨ててしまっている。いっそ清清しいほどに。

そういうパーツで身を固めて、ある種の不便さ、神経質さを飲み込んでまで数グラムを削っていくバイクたちを見ていると、前述の白紙で作られた刃物を思ってしまうのだ。

白紙、特に白紙一号の様に極限まで不純物を取り除いた鋼材は、余りにも硬度が上がりすぎて脆く、粘りもなくなってしまう。折れやすく、刃こぼれしやすい。錆びにも弱くなってしまう。

多くのネガティブな要素を身に帯びながら、唯一切れ味においてのみ最上質の玉鋼すら凌駕するほどの切れ味を有するようになるのだ。

この、切れ味のみを追求した無垢ではかない鋼には、それでも人をひきつける魅力がある。脆弱さも怜悧な切れ味を構成するための不可欠な要素のように思えてくるのだ。

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度を越した軽量化によって短縮できるタイムより、安全性など失われる物の方が大きい事もある。それでも極限まで純度を高めるなら、失った物を補って余りある何かが車体に宿ってもおかしくない。

5.5kgのaddict SLは一般的な感覚での軽量化の限界線位にはあると思う。

狂気の世界の香りくらいは嗅げるかもしれない。興味のある方、一度遊びに来てはいかがでしょうか

 

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