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試乗可能 誰も真似したがらないバイク紹介~BMC RaceMaster SLX01~

自転車名 Race Master SLX01
ブランド BMC
価格 奇跡のミドルグレード
サイズ 52
フレーム 金属と炭素の複合生命体
タイヤ 3T メルキュリオ40 カーボン

またしても2009年製のバイクでございます。今回ご紹介するのはこちら

「BMC RaceMaster SLX01」

どうやら2009年前後というのはロードバイクにおける奇跡の世代なのではないだろうか。この時代の個性的な輝きを放つバイク達をを見ていると、この胸が震えてくる。まるで西野○ナのように

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BMC Race Master SLX01

ホイール :3T メルキュリオ40 カーボンチューブラー

コンポ :sram apex

 

2008年は「orbea orca」 , 「trek madone 6」「pinallero prince」

あたりがもっとも美しいといわれたロードバイクじゃなかろうか。

それまで直線的なパイプで構成されていた自転車の構造的宿命を、カーボンモノコック技術が開放する。

パイプ厚と素材適正によって生み出してきたフレーム特性が、カーボンの積層だけではなく形状その物によって特性を産み出せるようになった。

そして造形の自由度がフレームにモダンアートを思わせる芸術性と、形から連想させる走行性の洗練さを内包するようになる嚆矢がこのあたりのフレームだったのではなかろうか。そういう意味で性能だけではなくいろんな意味でロードバイクに革命が起こる。

この辺の出来事はマニアックなスポーツ機材から抜け出し、現在の自転車人口増加の下地の一因にもなっているように思う。

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そして2009年はこのSLX01の年である。異論は認めるがこのルックスを超えるバイクがあるなら僕の目の前につれてきて欲しい。

そしてそのバイクの何がどう美しいのか、胸の内ある抑えきれない情熱をもって僕を説き伏せて欲しい。

それに対し僕もSLXがどう美しいのか、表層的に視覚を刺激するルックスだけではなくその哲学、思想、数学的絶妙さ、ほんの耳かき一杯分程のアンバランスさが醸し出すスリルとエロティシズム。

そしてSLXが睦み事のようにヒッソリと語る石油依存型金融資本主義の限界と、人工知能が人間の手を離れてしまう先にある危険性について、原稿用紙千枚分くらいの容量で一晩中語り続ける準備がある。

 

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orca やmadone、プリンスが描き出す曲線はロードバイクのデザインに大きな影響を与えたように思う。

その後の数年間は、右も左も猫も杓子もorcaのような塗り分け、madoneやプリンスをにおわせる曲線の影響から抜け出すことの出来ないバイクが巷にあふれかえる様になっていなかっただろうか。

現実はそうじゃないかもしれない。僕の思い出補正かもしれない。だがしかしそのくらいにこれらのバイクから受けた衝撃と物欲は激しかったのだ。

そして一年後、スイスからやってきたこいつは、あっさりとそして見事にこれらの革命的バイクの呪縛を振りほどいて見せたのだ。しかもミドルグレードに位置するバイクがそれを成し遂げた所にさらに驚嘆させられる。

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SLXの凄い所は、この後に誰も続かなかったところにある。前述の流麗なフレームはカーボンモノコックフレームの本流を作り出した。が、SLXの後を誰一人として追いかける者は居なかったのだ。

特殊過ぎる構造とディティールの数々は製造が終わった今も残され続ける特設ページに譲る。このページを眺めるだけで未だにどんぶり飯三杯は喰える。

これらの独特な構造の総体は、半分はカーボンを使いながらもアルミフレームより重い謎の躯体と、アルミを超えるソリッド感、そしてSLXだけが持つ天を駆けのぼる様な加速、巡航性をSLXに与えた。

BMCが最終的にどういう性能にフォーカスをおいてこのフレームを開発したのか未だによく分からない。この性能を生み出すのにカーボンを使う必要があったのかと今だに首を捻りたくなる。

「こんな構造のフレームつくってみたら 面白いんじゃね?」という遊び心とデザイナーに舞い降りた宗教画の様な天啓。そこに神が気まぐれに与えたカーボンとアルミの絶妙なバランスが組み合わさって産まれた奇跡の様なモデルなのではないかと密かに睨んでいる。

僕が知るだけでもこのモデルに三つの奇跡が同居しているのだ。

製造がめんどくさかったのかわずか二年でロールアウトしたこのモデル。おそらく絶対的流通量も少ないはず。

ガチンガチンとギャップを拾いながら吹けあがるような加速に酔いしれる。火花のような振動もそれもまた乗っていて非常に愉しい。これを名車(迷車)といわずして何といおうか。

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